「安いものじゃだめなの?」「高級メーカーでオーダーすれば良いんじゃないの?」「とりあえず人気ランキングで評価が高いものを選ぼう…」という方もいらっしゃるかもしれません。
実は、良い枕は人それぞれ違います。
ただし、重要なのは、良い枕を選ぶためのチェックポイントは共通だということ。そのため、ポイントを押さえた上で自分に合ったものを選ぶことがおすすめです。
このページでは、枕を選ぶ時に見るべきポイントをご紹介しています。あなたの快眠をサポートする、おすすめの寝具探しにお役立てください。
目次
良い睡眠のための理想の寝姿勢
おすすめの枕の選び方をご紹介する上で最も大事なことがあります。 それは「快眠に必要なのは、正しい寝姿勢をサポートする枕」だということ。快眠に効果的な寝姿勢とは、立った時と同じ状態で、身体に力がかからない姿勢のことです。 もう少し具体的にご説明していきましょう。
仰向けで寝る場合
仰向けで枕に頭を置いた時、頸椎(首の7つの骨)のS字カーブを自然に保てる姿勢が理想です。 さらに、以下の状態になっているかどうかを確認します。- 肩から頭の傾斜が10~15°程度
- 顔の傾斜が5°程度(やや足元を向く視線)
横向きで寝る場合
横向きになった時は、頭・首・背中が真っ直ぐになるようにしましょう。 頸椎と布団やマットレスが平行になっているかどうかを確認します。上記の状態を意識して枕を使用すると、首や肩などに負担がかかりにくくおすすめです。
そして、こうした寝姿勢をサポートする枕を選ぶ時のポイントが【高さ】【硬さ】【サイズ】の3つ。ここからは、この3つのポイントについて詳しく見ていきたいと思います。
高さ:体つきによって枕の高さの目安は違う
枕の選び方で1つめのポイントは、枕の高さ。枕が高すぎると顎が引けてしまい、逆に低すぎると頸椎を支えられずに寝姿勢が悪くなってしまいます。そうすると、身体の一部に負荷が偏って首・肩こりになったり、神経を圧迫して頭痛に繋がったりします。
そのため、高すぎず低すぎない、適切な高さの枕がおすすめです。
体型や骨格によっておすすめが違う
それでは、枕のおすすめの高さが具体的にどのくらいかというと、実はおすすめの枕の高さは人によって違います。枕の高さの平均は、男性が4.0cm、女性が3.0cm。男性は2.0cm~5.0cm、女性は1.0cm~3.0cmを好む方が多いです。
ただし、性別によって枕のおすすめの高さが違うというよりも、枕の高さは、体つき(筋肉質・やせ型・肥満型)や首の長さ、後頭部の形などで選ぶことがおすすめです。目安は以下の通り。
- 高めの枕がおすすめ:男性、体格がしっかりした方、後頭部が丸い方
- 低めの枕がおすすめ:女性や子供など細身の方、後頭部が平らな方
そのため、知名度などだけで枕を選ぶのではなく、ご自身の体型や骨格に合う高さの枕がおすすめです。
自分に合う枕の高さを確認する方法
自分に合う枕の高さは、簡単に調べることができます。壁に背中をつけて立ち、壁と首の間の隙間を測りましょう。おすすめは、この隙間を埋める高さの枕。隙間が少ないほど低め、隙間が多いほど高い枕をおすすめします。
高さを調整できる形状の枕もおすすめ
一般的な枕の形では、枕は真ん中が高いですが、実は枕には色々な形状があり、中には高さを調整できるものもあります。睡眠中は、身体の負荷を分散するため、20~30回の寝返りを自然に打つと言われています。そのため、寝返りを打っても良い寝姿勢を保てる枕がおすすめ。
例えば、左右が高く真ん中が低い形の枕は、横向きでも寝やすく、一般的な日本人の頭の形にもフィットするのでおすすめです。
硬さ :硬め・柔らかめ素材を比較
枕を選ぶポイントの2つめは、枕の硬さ。人間の頭の重さは、体重の10%を占めると言われてます。枕はこの重みを支えるので、柔らかすぎると頭が沈みすぎてうつむき姿勢になり、首や肩を痛めたり、呼吸が浅くなったり、頭に血が上ってむくみの原因になったりする可能性も。
一方、硬すぎる枕だと頭が浮いてしまい、後頭部を圧迫してしまいます。
そのため、頭の重さを受け止められる硬さがありつつ、後頭部がフィットする枕がおすすめです。
そして、この硬さを決めるのは、枕の素材。そこで、硬さを基準に枕の素材の種類をご紹介しましょう。
柔らかめ | 普通 | 硬め |
---|---|---|
高反発ウレタン ラテックス 低反発ウレタン スマッシュフォーム 羽根(ダウン80%以上) ポリエチレンフレイク ポリエステル・綿 ウール |
高反発ファイバー 羽根(フェザー80%以上) マイクロビーズ |
そば殻 ポリエチレンパイプ |
フィット感を求める方は、やわらかめ・低反発
フィット感を重視する方は、柔らかめの素材や低反発素材がおすすめ。ポリエステル・綿は、軽量・洗える・低価格など様々なメリットがありおすすめです。低反発の粉砕ウレタンフォーム(スノー低反発)も、通気性が良くおすすめ。
ただし、あまりにも安い枕だと寒さで堅くなったり、復元力が弱く反発力が低下してしあったりすることも。
そうすると、柔らかくなりすぎて身体の負担になる可能性があるため注意しましょう。
凝りがある方は、硬め・高反発
硬めの素材や高反発枕は、寝返りがしやすく、血行やリンパの流れをスムーズにして筋肉をほぐしやすいので、首・肩こりなどの方におすすめです。パイプ素材は寝返りを打った時に音が出やすいですが、へたりにくい、通気性が良い、洗えるなどその他のメリットもあります。
サイズ:寝返りが多い人は大きめがおすすめ
枕を選ぶ時におすすめの3つめのポイントは、枕のサイズ。枕のサイズは、寝返りのしやすさに関係します。寝返りを打った時に頭が落ちると寝姿勢が崩れるので、寝返りが打ちやすい枕がおすすめです。
まずは、一般的な枕のサイズ区分を見てみましょう。
区分 | サイズ | おすすめの方 |
---|---|---|
大きめ | 50×70 | 大柄な方、寝返りが多い方 |
標準 | 43×63 | 中柄の方 |
小さめ | 35×50 | 小柄な方、寝返りが少ない方 |
小柄な方は小さめでも良いですが、子供の場合は一般的に寝返りが多いので、大きめの枕をおすすめします。
症状別におすすめの枕のタイプ
ここまで、正しい寝姿勢で快眠をサポートするためにおすすめの枕の選び方をご紹介してきましたが、より具体的な症状にお悩みの方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ここからは、よくある症状別におすすめの枕を見ていきたいと思います。
- 頭痛
- 首が痛い・ストレートネック
- 肩こり
- 寝汗をかく
- いびき
- 寝違える
- 寝つきが悪い
頭痛:枕が高すぎるか、硬すぎる可能性あり
起きると頭痛がするという方は、枕が硬すぎて後頭部が圧迫されている、もしくは枕が高すぎて神経痛を起こしている可能性があります。この場合、まずは普段寝る姿勢で横になってみることがおすすめ。5分程度で圧迫感があれば、枕が硬すぎます。寝姿勢が崩れていれば、枕が高すぎるかもしれません。
頭痛がするという方は、このように、枕の硬さや高さを見直すことをおすすめします。
首が痛い・ストレートネック:やや硬めがおすすめ
首が痛いという方やストレートネックの方は、まず枕が適切な高さかどうかを確認しましょう。特に、ストレートネックの方は枕が高すぎると寝姿勢が乱れて症状が悪化する場合もあるため、枕の高さを特に重視することをおすすめします。また、枕の素材が柔らかすぎると寝返りが打ちにくくなり、首筋の筋肉などに疲労が溜まってこりの原因に。そのため、首がこる感覚が強い場合は、そば殻やパイプ素材などの硬めの枕がおすすめです。
肩こり:枕の高さと硬さの確認を
肩こりの方が枕を選ぶ時は、高すぎたり、柔らかすぎる枕には注意が必要です。頭が枕に沈みすぎない枕がおすすめ。顔の向きの変えやすさや寝返りのしやすさも確認しましょう。
抱き枕で重みを分散することも可能
睡眠中に腕の重みを首で受けると、肩こりに繋がることも。片腕の重さは3~5kgなので、結構な負荷がかかります。この場合は、抱き枕などを使って重みを分散することもおすすめです。
寝汗をかく:枕カバーや素材にこだわるのがおすすめ
寝汗をかきやすい方は、枕そのものの素材や枕カバーの選び方で不快感を軽減することがおすすめ。丸洗い可能など、こまめに洗える素材や天然素材の枕、通気性や吸湿性に優れた枕カバーがおすすめです。いびき:気道がスムーズになる高さの枕を選ぶ
睡眠中にかくいびきの原因は、加齢、肥満、骨格など様々ですが、枕の選び方であれば特に高さを重視すると良いでしょう。高すぎず低すぎず、気道を圧迫しない枕がおすすめです。やや低めだと、気道がスムーズになりいびき対策になるという説もあります。また、横向きに寝ると気道の圧迫を防ぐので、横向きの姿勢がとりやすい枕もおすすめです。
寝違える:寝返りしやすい大きめサイズを
頭が枕から落ちると、不自然な寝姿勢になり寝違えやすいです。枕が高すぎたり小さすぎたりすると、寝返りを打った時に枕から頭が落ちることが多いので、適切な高さで大き目の枕をおすすめします。寝つきが悪い:おすすめはやや柔らかめ
寝つきが悪い方は、包み込むようにフィットする柔らかめの枕がおすすめ。柔らかい枕は頭の重さを吸収するので、安心感にも繋がります。ただし、柔らかすぎると肩こりなどの原因になるので注意しましょう。
枕のお手入れと寿命~おすすめの買い替え時期とは~
おすすめの枕を購入した後は、きちんとお手入れをすると枕が長持ちするのでおすすめ。そこで、最後に、枕のお手入れ方法と買い替えのタイミングをご紹介しておきましょう。月1回は枕のお手入れを
寝汗や汚れなどを防ぐためにも、必ず枕カバーの使用をおすすめします。枕カバーは、週に1回は洗濯しましょう。また、丸洗い可能など洗える枕であれば、1カ月に1回程度、洗って天日干しすることがおすすめです。洗えない枕であれば、除菌スプレーで殺菌しても良いでしょう。
買い替えの目安は2年
枕の素材や品質によって違いますが、枕は基本的に消耗品です。2~5年で買い替えることをおすすめします。身体が成長したり、体型が変わると、枕が合わなくなることも。この場合も、枕の買い替えがおすすめです。
以上を参考に、ぜひあなたに合った枕を見つけてみてくださいね。